メッセージPETボトル

 
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あらすじ

 

 中学卒業と高校入学を控えた時期、三月の第一日曜のこと、城端茜(きばたあかね)は時間つぶしに荒川土手に出かける。とりあえず赤水門にやってきた茜は、水門を叩くような不思議な物音を耳にするが、流れ着いたペットボトルから発せられるものであることがわかり、まずは安堵。だが、そのボトルは無色かつ無印、しかも複数。気にはなるが手が届かない。と、偶然、同様のボトルが水際に流れ着く。手にすると、中には「宴」の予告入りメッセージ。茜はその発生源を探るべく、日曜が来る度に、荒川の水際へ足を運ぶのだった。

 第二日曜は、扇大橋付近でメッセージボトルを見つけるも、先週の日付。今週新たに流されたボトルを見つけたのは、青水門下流側の干潟に来てからのことだった。日曜ごとにボトルが流されることをつかんだ茜は、第三日曜、さらに上流側へ出向き、流されたてのボトルを見出すべく新荒川大橋で張り込みを始める。見事的中し、ボトルの群れを遡ることに成功。たどり着いたのは、戸田橋近くの船着場だった。あと一歩のところで、ボトルの主を取り逃がしてしまうが、手応えは得る。

 そして第四日曜。買ってもらったばかりの携帯電話を手に、茜は現場を押さえに向かう。ケータイでの動画撮影を試していたら、不意に声がかかった。メッセージボトルの主が現れたのだ。

 拾ったボトルを見せれば、多くを語るには及ばない。茜はペットボトルの投げ込みを手伝いながら、謎解きを進めていく。ボトルの流され方、その意義、さらにはケータイ談議などでも盛り上がるが、翌週に控えた宴について明かされることはなかった。ボトルの主は、椎葉新太(しいばしんた)と名乗る院生だった。

 宴の当日。予告にあった集合時間前に新荒川大橋にやってきた茜は、どこからか集まってきた人々とともに、開宴を待つ。すると上流から...

 そして、この宴に込められた本当の意味が閉宴とともに解き明かされるのだった。

 

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